【入居者は、最強の営業担当】

― 紹介が絶えない物件に共通する、たった一つのこと ―

「紹介で埋まっていく物件」
そんな言葉を聞くと、どう感じるでしょうか?

「羨ましいな」「うちは立地も古さも微妙だし…」
そう思ったかもしれません。

でも私は、声を大にして伝えたい。
紹介が生まれるのは、偶然ではありません。
それは、“入居者に語らせる物件”を意識してつくってきたからこそ、自然と起こる現象なのです。

■ 入居者の「友人・恋人」が来るときが勝負

ある日、入居者の友人が遊びに来る。
ある夜、恋人が泊まりに来る。
その瞬間、物件は“入居者の顔”になります。

だから私は、

「自分の物件が、入居者にとって“誇れる場所”であるかどうか」
を常に自問し続けてきました。

■ 徹底した“違和感”潰しが紹介を生む

やったことは派手じゃありません。
けれど、誰よりも“細部の違和感”に敏感であること。

◉ 敷地内に落ち葉があればすぐに掃く

◉ ゴミが落ちていれば拾う

◉ 排水溝の汚れを放置しない

◉ 共用部の電球が切れていないか毎回チェック

◉ エレベーターのカゴ内の匂いに気を配る

◉ 自転車が乱れていれば整える

◉ 郵便受けまわりのチラシをこまめに撤去する

入居者は毎日そこを通る。
オーナーは週に数回かもしれないけれど、
入居者にとっては、そこが帰ってくる場所なのです。

■ 入居者目線に立てる力が、高稼働の鍵

私自身、長年一人暮らしをし、数多くの物件を見てきました。
その経験が教えてくれたのは、

「オーナーの無関心は、一瞬で入居者に伝わる」

という事実です。

逆に言えば、
“この物件、ちゃんと見られている”と入居者が感じれば、それは居心地の良さにつながります。

それはやがて、
「今、住んでるマンション、すごく良いよ」
という最高の口コミへと変わっていくのです。

■ キャンペーンでは、紹介は生まれない

紹介を促したいがために、
マンションの掲示板に「紹介キャンペーン実施中!」と貼る。
でも、実際に紹介は来ない。

なぜなら、紹介とは報酬で動くものではなく、“信頼”で動くものだから。

紹介が自然と発生する物件には、
入居者の心からの満足がある。
誰かに紹介したくなるほどの、安心・清潔・配慮の積み重ねがあるのです。

■ 「仕組み化」こそが真の武器

そしてもう一つ、大切なのは紹介が生まれやすい構造を整えておくこと。

室内だけでなく建物全体がおもてなしになっているか。

こうした物件は、入居者が自然と「住みやすい」と言いたくなる。
そしてそこに、紹介が生まれる導線があるのです。

「紹介される物件」の共通点とは?

項目内容
清掃目立たないが最も大きな信頼をつくる基盤
点検電球、排水、掲示物など日常のチェック
香りエントランスやEV内の空気まで整える
心配り入居者からの声に素早く反応する姿勢
違和感小さな違和感に気づき、潰していく力

🌿 最後に

築年数は変えられない。
立地も変えられない。
でも、“どう見られているか”は、変えられる。

そしてそれを変えられるのは、
オーナー自身の“まなざし”だけです。

高価なリノベーションもたまには大切だけど
日々の手入れと入居者への心配りこそが、最強の営業戦略になる。